いま、「なんちゃらPay増えすぎ!」と思っていませんか?
増えすぎどころか、スマホにインストールしてもしても、足りないぐらいPayが増えています。

あちこちキャンペーンも打たれていますので、いろいろ登録したくなるのが普通の人間の心情というものではないでしょうか。そこで、増えすぎたPay問題を解決するため、なんと日本政府がJPQRを導入するという話です。

○○Pay統合の流れ・・・しかも、政府といいますか総務省の所管で行われます。なぜ国が?と思わなくもないのですが、バーコード決済9社の統合をするというのは悪くないアイデアです。しかし、そこにはデメリットも数多くありますので、JPQRのデメリットをみていきましょう。

利用者にはメリットが多いが、店舗側は・・・

最初に、このJPQRは、利用者に大きな便利をもたらすことをベースに設計されています。よって、そのしわ寄せは当然ながら店舗がわに来るのです。JPQRがあれば、一見するとユーザーはどの店舗でもペイ払いができ、非常に便利なように感じます。

しかし、実際のところは、設計と運用に問題がでそうな感じです。なぜなら、セブンイレブンでペイするときとミニストップでペイするとき、コードが違う形なのに気が付きませんか?セブンイレブンだったら横型のバーコードタイプなのに、ミニストップではQRコードだったりと、そもそも規格が全部違うのです。

規格が違うのに、統一しようとする、そしてユーザーの利便性を高める、つまり、導入する店舗にすべてのしわ寄せがやってきます。日本独特の、「消費者としてみたら最高だけど、働くにはあまりいい環境とはいえない」という現象が、ここでも起きているのです。

具体的に、どう「いい環境とはいえない」のか、店舗側をみていきます。

それぞれのブランドと契約する必要がある

まず、JPQRに9つのPayが参加しました。以下のとおりです。

PayPay、LINE Pay、メルペイ、Origami Pay、d払い、au Pay、J-Coin Pay(みずほ銀行)、ゆうちょPay、YOKA!Pay(福岡銀行)

という9つのラインナップです。
店舗側、ストアスキャンの場合、このそれぞれと契約しなければならないのです。利用者はひとつのアプリを立ち上げるだけでいいのですが、うらで9社と契約する必要があるのが、JPQRの大きな特徴です。

これではたまったものではないですよね。契約は一度すればいいものの、忙しい店舗にとってこれでは利便性が失われてしまいます。

管理画面が実は別

さらに、重大な欠点として、店舗の管理画面が実は別という難点もあります。マルチペイキャストであれば、管理画面はひとつです。しかし、9社と契約して、それぞれの管理画面で売上状況やトランザクション(実行)がうまくまわっているか、確認しなければならないなんて・・・。非常に酷な設計です。

管理画面が違うのは大きな問題のふたつめだと考えられます。
9つも管理画面があるなんて、パソコンやスマホが苦手な飲食店オーナーのことを考えていないとしか思えない設計です。

入金もそれぞれのブランドから

さらに、3つ目の問題点として、入金もそれぞれの契約先からあるということです。PayのQRコード決済は、決済提供者が代理で収納して手数料を引き、ストアに入金するという仕組みですが、それが9つのブランド別々に行われるのです。

つまり、キャッシュフローがめちゃくちゃになりかねないのです。店舗側は、あのペイでは○万円、こちらのペイでは△万円と、管理画面から計算し、何月何日にいくら、というふうに自分で資金繰りを考えなくてはなりません。

忙しいので決済を導入したはずが、これでは余計に多忙になってしまいます。総務省はこのあたりをどう考えているのでしょうか。

QRコードもバラバラ

さらに、QRコードも規格がバラバラのものを統一すると、決済の端末にまで影響がでますから、JPQRではコードもすべてバラバラのまま、利用者側で使い分けるということになります。

これは果たして、統一する意味があるのでしょうか。もはや、スマートフォンの画面上にアプリが複数並ばないというメリットだけがある感じです。それなら、アイコンをグループ化して、まとめればいいだけで、そのグループ化を行えば、ワンタッチツータッチでPayアプリを起動できますので、もはやJPQRにメリットそのものがあるのか疑問符がつきます。

一元管理ができない!

決済利用料は3.25%となります。お金を取るのになぜ総務省がこれをやるのか、公的サービスにする必要性もわかっていません。総務省としては「民間に任せたらPayが無限に増えたので、統一規格を」という意味なのでしょうけれども、官が行うということは、税金が投じられるということです。

そして、7Payが撤退した今、、、この難易度の高いPay決済というサービスを、はたして公的資金を投入してまで、実施する必要があるのか・・・という点は、非常に疑問符がつきます。

アリペイ(支付宝)、ウィーチャットペイが含まれない

最大の難点は、国際決済アプリである中国の方向けのアリペイとウィーチャットペイが含まれないことです。インバウンド中国人観光客を招きたいのに、これでは彼等を集客することができません。

アリペイとウィーチャットペイはこれからの時代、必須ではないでしょうか。日本は開かれた国ですので、これからも中国の方々は大量にやってきます。そんなとき、アリペイとウィーチャットペイがなければ、中国人観光客を集客することは困難でしょう。

なぜなら、彼等はアリペイとウィーチャットペイが生活の一部になっているからです。消費意欲が旺盛で、いまから生活レベルを高めようと一生懸命働いている中国の方にとって、アリペイとウィーチャットペイを使うのは必然です。元で支払えるのですから。

餅は餅屋、PayはPayのプロフェッショナルに

7Pay事故の話がでましたが、非常に難易度が高い開発になることは論を待ちません。餅は餅屋ですから、PayはPayのプロに任せるのが一番です。セキュリティインシデントの発生、世間の厳しい目、そして犯罪に巻き込まれるクレジットカードを使ったPay決済という極めて難しいシステムは、プロに任せましょう。

マルチペイキャストなら、そのあたりはほぼパーフェクトだと自負しています。質の高い民間の開発陣が、技術を投入して作り上げています。

まとめ

Pay問題を解決するために現れた、政府主導のJPQRについてみてきました。デメリットに多く訴求したので、まずそうした導入のデメリットを知っていただきたいです。このように、導入には大変な手間がかかります。

それに加えて、ユーザーはたとえばOrigami Payで払いたければそのアプリで支払ってよいのです。それなら、あまりJPQRの導入メリットは薄いものと考えられます。

税金を投入して作られるこの統合QRアプリであるJPQR。果たしてどの程度のものが作られるか、ユーザーである日本国民も、ストア側も、ベンダーも、メディアも、そしてペイ事故であったように、悪い人たちも注目しています。

クレジットカードや信用を預けるのですから、セキュリティ対策が万全のアプリにしないと、不安ですよね。カードによっては不正利用の際の保証が困難なものもありますし、Payのセキュリティは信用がかかっているので極めて重要なものです。

マルチペイキャストなら、セキュリティ対策も万全です。