中国の方のみならず、経済が発展している国での消費意欲はとてつもないものがあります。若い人であればなおのことですね。日本でも、バブルの時代は若者がブランドに高級ワインに海外旅行にと、消費意欲が旺盛でしたが、令和の時代になった今では、消費が落ち込み、そればかりかミニマリズムや断捨離やこんまり様が流行って、脱消費の方向に進んでいます。

しかし、共通点もあります。それが、インターネットでみんながつながるようになって、SNSを介して他人から認められたい、つまり「承認欲求」を持つようになったのです。そこで登場するのが、テキストでつながるウェイボ、動画でつながるTikTokです。

中国のインターネットはグレートウォールに阻まれているとはいえ、高速であり、つながりたい、みとめられたいという欲求は国や文化を超えます。若い人間はとくに、自我をもてあますものなのです。

TikTokと物販

そこで生まれたのがTikTokというダンスと音楽で表現するアプリなのですが、いよいよTikTokにEC機能が搭載されそうです。といっても、外部からのリンクなので、TikTokの公式機能ではありません。

動画を投稿する→ほしいものへのリンクをクリックする→詳細をチェックする→アリペイで決済する

という流れで、物販と結びついているのです。

なぜ信用されるの?

では、なぜ中国では動画でモノが異常に売れるのでしょうか。それは、既知の通り、彼の地では非常に偽物が多いという事情があります。ブランド店のスタッフが、偽物とすり替えていることもあると報道されているぐらいです。

それなら、どこに本物があるかわからないから、インフルエンサーから買おう、彼らが宣伝しているものなら間違いないと、個人が信用されるようになったのです。

決して中国を非難するわけではありませんが、偽物が非常に多いことは知られています。よって、どこも国内は信用出来ないので、インフルエンサーから買うわけです。

紹介する側も、偽物を売ることもできますが、信用がかかっているため本物を紹介するというインセンティブが働きます。つまり、信用経済が成立しているのです。

まとめ

このように、TikTokでモノを買うようになったのは、お国柄というものあるのかもしれません。アリペイとTikTokがくっつくことで、よりスムーズに、決済が可能になります。独自の進化ですが、こうしてみてみると納得感があります。

これが文化的に表面だけ日本に輸入され、日本でも動画販売は確実に浸透してくるものとみられます。非常に興味深い現象ですね。