アリペイは中国で爆発的なヒットとなっています。相互信用を中国社会にもたらしたのです。従来は、決済を支払う側と、受け取る側。どちらのマナーも、お世辞にも良いはいえず、パクリに個人主義にと、かなりイメージが悪い側面があったのは事実です。しかし、中国の方々の行動は、経済発展とアリペイやウィーチャットペイの信用経済の構築によって大きく変わろうとしています。

なぜ学習ではなく仕組みで解決なのか?

たとえば、支払いや受け取りのシーンにおいて、列をちゃんと並ばないというマナーの問題があったとします。日本の私たちは、学習によって、つまり啓蒙してマナーを向上させようと感じるのではないでしょうか。教育して、マナーが大切だと教え込み、内側からの改革によって、個別のマナーを向上させると考えます。

しかし、中国のイノベーターは、仕組みでこれを解決しようとします。列に並ばないのであれば、「最初から列に並ぶ必要がない仕組み」を新しいサービスとして構築するのです。たとえば、向こうから商品やサービスがやってくる仕組みなどです。

列に並んでくれないのはなぜなのか?

そもそも、なぜ中国の方は列に並んでくれないのでしょうか。ひとつに、彼らの歴史が関係しているとされます。中国の本土は、歴史の教科書で学ぶ以上に、奪い合いの歴史に満ちています。そこから、社会に安定がないこと、人が多いので勝ち抜くためには奪いあいになることを後天的に学んだものとみられます。

それが文化的に受け継がれていったので、列に並ばない、という現象として現れでてるのではないかと考えられます。

しかし、それらも仕組みで解決できます。とくに象徴的なのがアリペイやウィーチャットペイの信用の民主化で、インターネットによって、従来は縦型で上から与えられていた信用というものが、フラットな横型になったのです。この仕組を作ったのが、アリババのジャック・マー会長だということです。偉大なイノベーターではないでしょうか。

ガシャポンまでアリペイの時代に

アリペイの勢いは止まるところを知らず、中国人がグローバル化して世界に飛び出すと同時に、日本でもアリペイ決済ができるスポットが増えています。なかでもガシャポンでもQRコード決済ができるのは興味深い現象ではないでしょうか。

東京の一部で外国人観光客が多いところに限られていますが、それでもこんなところにまでQRコード決済が進出しているのは興味深いことです。